越前屋、お主も悪よのう

WEB屋の日常。

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TM NETWORK はどこからやって来たのか?答えは「2001年宇宙の旅」に、EOSはモノリスだった

      2015/01/23

2014年4月21日、TM NETWORK は30周年のメモリアルイヤーを迎え、2015年にかけてQUIT30と銘打ったツアーを行っています。

このツアーのコンセプトはスタンリー・キューブリック監督脚本、アーサー・C・クラーク脚本協力の「2001年宇宙の旅」をオリジンとしているのは誰もが認めるところでしょう。ちなみに2012年の武道館は未知との遭遇、2013年のさいたまスーパーアリーナはE.T.とアメリカン・グラフティ(観てないんですが)。


2014/04/22にリリースされたLOUDのMVにはオープニングにHALも登場しています。

「一番好きな映画は2001年宇宙の旅」という人は多いのですが、難解と言われ解釈は人によってバラバラです。

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特に冒頭や幕中に出てくるモノリス(黒い巨石)は多くの人を虜にし、QUIT30ツアーでは主役となっています。

モノリスの正体についてはさまざまな解釈を呼んでいるが、これは異星人が置いて行った物体であることに間違いない。なにしろ、撮影に入った当初はモノリスではなく、宇宙船に乗ってやってきた人間型の異星人が猿人に道具の使い方を教えることになっていたのだ。 – 町山智浩「映画の見方がわかる本」 p.22より引用

モノリスをEOS、人間型異星人をTM NETWORK、猿人をFANKSに置き換えてみるとどうでしょうか?

蛇足ですが、小室哲哉氏はDIVAというグループに「インフォメーション」と「DISCOVERY」という曲を提供していて、歌詞を読むとセットだと分かります。モノリスに触れ情報(インフォメーション)を得て導かれ、木星のワームホールを発見(ディスカバリー)する2001年宇宙の旅をなぞっています。

インフォメーション 歌詞
http://j-lyric.net/artist/a05481f/l024fe7.html

DISCOVERY 歌詞
http://j-lyric.net/artist/a05481f/l033127.html

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DISCOVERYのMVは、2001年宇宙の旅の月面モノリスをイメージしているようです。(DIVAのデビュー曲は「月の裏側(秋元康作詞)」で、インフォメーションはType Bに収録)

『失われた宇宙の旅~』によれば、その異星人には「クリンダー」という名前まであって、彼らの故郷である星の名前も「エオス」と名付けられていた。(中略)しかし、この異星人を実際に画面に出す方法が問題だった。(中略)あらゆる方法が試され、実際に撮影まで行われたが、どうしてもはるかに進化した知的生命には見えなかった。最終的にキューブリックは異星人を画面で見せることをあきらめ、代わりにモノリスが見えない力で猿人を刺激して道具を使うことを教えるシーンへと変更した。 – 町山智浩「映画の見方がわかる本」 p.22-23より引用

エオス(221 Eos)はギリシア神話の暁の女神エーオースにちなんで命名された小惑星ですが、1988年にYAMAHAから発売されたEOSは Entertainment Operating System の略とだけ言われており、それ以上の公式見解はないようです。キャノンEOS(Electro-Optical-System)がエーオースとの関係を認めているため、バッティングを避けるためだったかもしれません。

エオス (小惑星)
http://ja.wikipedia.org/wiki/エオス (小惑星)

エーオース
http://ja.wikipedia.org/wiki/エーオース

ヤマハ・EOSシリーズ
http://ja.wikipedia.org/wiki/ヤマハ・EOSシリーズ

キヤノン・EOSシリーズ
http://ja.wikipedia.org/wiki/キヤノン・EOSシリーズ

EOSと言えばスピーカーを搭載し丸みを帯びた(宇宙船のような)Bシリーズが有名ですが、初代EOSはスピーカーレスで黒く四角い形をしていました。いわゆる普通のシンセの形なんですが、とても奇妙なパネルを採用しています。酒船石やナスカの地上絵、宇宙船に乗るマヤ王、ストーンヘンジを思わせる不思議な意匠です。サイドもギザギザで、インベーダーみたいにも見えます。

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EOS YS200 – YAMAHA
http://jp.yamaha.com/product_archive/music-production/eos_ys200/

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酒船石遺跡
http://ja.wikipedia.org/wiki/酒船石遺跡

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ナスカの地上絵
http://ja.wikipedia.org/wiki/ナスカの地上絵

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K’inich Janaab’ Pakal – パレンケ王の石棺の浮き彫り(en:K’inich Janaab’ Pakal)
http://en.wikipedia.org/wiki/K%27inich_Janaab%27_Pakal

撮影開始当初『前哨(クラークが1948年に書いた短編)』と同様に、モノリスはピラミッド(正四面体)になる予定だった。ところが実際にセットに置いてみると、どうも見栄えが悪い。そこでキューブリックは透明なキューブ(立方体)に変更した。各面にそれぞれ別の映像を投射する予定で実際に当時最大のアクリル製キューブが作られたが、透明度が足りず、結局、黒い石版に落ち着いたのである。 – 町山智浩「映画の見方がわかる本」 p.25より引用

ピラミッド(三角)、透明(ディスプレイ)、各面にそれぞれ別の映像を投射…いずれもQUIT30ツアーでは重要な要素になってます。

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LOUDが終わった後、パーティクルと過去の記憶がオーバラップするのも、ワームホールを通過するイメージでしょう。

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QUIT30ツアーでは3体のモノリスが宙から登場し、メンバーがその中に吸い込まれて終幕となります。小惑星エオスに帰ったのかと思いましたが、勤勉な彼らはまだ地球でやることがあるようです。

QUIT30が終了(QUIT)した後はどうなるのか?

2001年宇宙の旅には、続編(パラレルワールド)にあたる『2010年宇宙の旅』『2061年宇宙の旅』『3001年終局への旅』があるので、そこに答えが見つかるかもしれません。

CAROLとFANKSが2015/04/21に、オーバーロード(TM NETWORK)に導かれて、幼年期の終わりを迎え(ようやく!)、スターチャイルド(よりエモーショナルで、人間らしさを取り戻した人間 = I am)に進化できることを!(ここだけ幼年期の終わりですいません)

Tomorrow Made New
歌:TM NETWORK
作詞:坂元 裕二
作曲:小室哲哉

行く先も知れぬ 空に向かう歌声 セイルを付けたら 永遠と名付けよう
聞こえてくるだろ 月とピアノの悲鳴 泳ぎ出したなら 息を止めて歌えよ

ここは真夜中の迷路 出口の無いパラダイス
安らぎはもういらない すべて捨てて終わらせる
ふるえるおまえの歌で この躰に火をつけろ
幼年期の終わりから 生まれ変わる Starchild With Love

God is watching you
Moonage Daydreamer
God is watching you
Moonage Daydreamer

Tomorrow Made New Thrill Mad Nature
Tomorrow Made New Thrill Mad Nature

宙に落ちていく二人 果てしなくゼロをつなぐ
音の無い世界の中 おまえの歌が導く
めぐる星を突き抜けて その躰に火をつける
誰も知らないはじまり 時をこえる Starchild With Love

God is watching you
Moonage Daydreamer
God is watching you
Moonage Daydreamer

Tomorrow Made New Thrill Mad Nature
Tomorrow Made New Thrill Mad Nature

2001年宇宙の旅
http://ja.wikipedia.org/wiki/2001年宇宙の旅

幼年期の終り
http://ja.wikipedia.org/wiki/幼年期の終り

発売から25年以上、いまだに人気が衰えないYAMAHA EOSシリーズの魅力
http://matome.naver.jp/odai/2139756336972002401

シンセサイザーの敷居を下げ、多くの人に音楽を楽しむきっかけを与えた「EOSシリーズ」
http://jp.yamaha.com/products/music-production/synthesizers/synth_40th/history/column/eos_series/

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