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わかりやすいシン・ゴジラのわかりにくい正体。ゴジラは日本の闇を見つめ続ける<ネタバレ注意>

      2016/08/08

<下記、ネタバレ注意です!>

ラストカットを観て?と思った人も多いのでは。

それまで散々「ゴジラは生物だ。生物だから倒せるに違いない」と言ってきて、生物だから血液凝固剤を経口投与するという、消化器官どうなってるか大丈夫?な作戦を決行。

なのにクローズアップされた尻尾の造形は地獄の山…芥川龍之介の蜘蛛の糸を思い出しました。

あくまでも生物説というか、シン・ゴジラの世界では神とか霊とかはありえないので生物と仮定するとゴジラの4倍DNAの中に、人間のものも組み込まれているというメッセージなのかな。

もし福島が東京で起こったら?をベースに、ゴジラは地震、津波(鎌倉大仏の大仏殿は津波で流された)、原発と姿を変え、作戦はフクシマ50、放水、凍土壁(東電失敗)、B29による東京大空襲の再現、オマージュにクローバーフィールド、日本のいちばん長い日、太陽を盗んだ男(原子力マークの科学技術館)と何もかもが分かりやすいゴジラ。

いくらなんでもゴジラ=福島第一原発過ぎないかと私は思うのですが、庵野秀明監督は「福島のことはすっかり忘れてるし、舛添下ろしたのに小池を選んじゃうバカ都民には、これくらい分り易くないと伝わらない」と考えたのでは。昔の人には基礎教養と思われる引用が多かった宮崎駿監督「風立ちぬ」はジブリ世代には散々でしたし、思い返せば初代ゴジラは笑っちゃうくらい分かりやすかったですし。

しかしこれだけリアルに作ったシン・ゴジラ、今話題の天皇は一切出てこないどころか話にも上りません。

面倒なことになるから回避しただけですが、一作目も同じでした。初代ゴジラは皇居を避けるルートを通ったため、今日まで「ゴジラは南太平洋戦没者の怨念で天皇に会いに来た=ゴジラ英霊説=物理攻撃が効かない」がまかり通るきっかけになってます。

シン・ゴジラ劇中で「(上陸する目的が)生物として理解できません」と言われてますが、それはフリで目的地が皇居であることが推測できますし、下敷きにされている日本で一番長い日は玉音放送を巡る天皇の話です。

シン・ゴジラの最期の舞台は東京駅、貴賓室も用意されている天皇の為に作られたもの。決戦地丸の内口から皇居へは専用の道路が敷設され、天皇が移動する時は付近が封鎖されます。作戦本部は皇居の中、武道館隣の科学技術館屋上と、皇居を挟んだ戦いになってます。

凍結したゴジラの視線には皇居。映画全編を通してあえて天皇は出てきませんが、ゴジラが戦争の象徴である限りゴジラと天皇は切り離せず。

安保とか憲法改正とか言う前に、日本最大の闇、天皇制をどうするのよ、シン・ゴジラと現天皇はそう問いかけてる気がします。

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